アトピー性皮膚炎の治療体験

 2007年6月、私は京都で大学生活を送っていた。出身は関東だが、母が京都出身で小さい頃からよく遊びに行った京都には憧れがあった。

 私は幼少期から重度のアトピー性皮膚炎を抱えていて、思春期と重なる中学、高校自体は特に症状がひどく、アトピー治療のために入院生活を余儀なくされるほどだったため、まともに学校に通った記憶がない。辛く時間が長く続いたが、自分自身の経験から『心理学を学びたい』という目標を見つけ、京都の大学への進学を目指した。

 実家では寝たきりだったが、京都にきてからは毎日大学へ通い、その後は友人と遊びに出かける。併せて資格のために勉強やアルバイト。これまでやりたかった全てのことを実行できている自分が本当に信じられない。『毎日幸せだなぁ』とそんな気持ちを噛み締める毎日だったが・・・。

アトピーの再来

 梅雨という季節のせいか、最近アトピーの調子がよくない。いや、頑張って動きすぎたせいなのか。さすがに今以上にひどくなっては困ると思い、地元で通院していた病院に紹介してもらったクリニックへ行ってみることにした。

 早速電話をかけると、予約制ではなく順番予約と言われたため、授業がない土曜日に受診することにした。

 そのクリニックは、東洋医学の治療を推進しており、漢方薬やステロイドを使わない軟膏、鍼灸治療をメインとしていた。私の名前が呼ばれ、診察室に入ると60代の医師が迎えてくれた。これまでの経過を話し、「地元でも漢方薬で治療していたため継続したい」と伝えると問診が始まった。舌診や脈診など、東洋医学ならではの方法で診察を終えた。

 先生から「漢方薬や軟膏も出すけど、炎症が強いから鍼灸治療も入れると楽になるよ。」と言われた。これまで鍼灸治療など経験がなかったが、楽になると言われれば断る理由はない。即座に「お願いします。」と伝えた。鍼灸治療は別室でとのことで、先に会計を済ませた。
 その後、受付スタッフに案内されると男性の鍼灸師が待っていた。初診のため、まずは問診票に今の状態を書いた。中には「好きな味付けは?」「どんなストレスを感じるか?」など、鍼灸治療とどんな関係があるのかわからないような質問までもが含まれていた。

 問診票への記入を終え、しばらくするとベッドに案内された。座った状態で脈診をされ、その後仰向けで横になった。舌診の後、お腹を押され、いよいよ鍼灸治療が始まった。鍼といっても髪の毛よりも細い物を使うため、痛みはほとんどないとのことだった。お灸もお肌に直接載せるタイプのものではないため火傷の危険はないが、「熱いと感じたらすぐに言ってください」とのこと。鍼は両手首に各1本、頭部にも1本。全く痛みはなかった。そのまま10分程時間を置いた後、鍼を外しうつ伏せに。

 肩と腰に各6本、背中にお灸を2箇所。肩と腰の鍼は『ズンっ』というような鈍痛を感じたが、我慢できないものではなかった。それよりも「お灸に火をつけます」と言われたときの『本当に熱くないんかな』という不安の方が大きかった。ジワジワと熱を感じた。『暖かくなってきた・・・どこまで熱くなるんだ?』とドキドキした。別の患者さんもいたため鍼灸師が近くにおらず、声をかけるタイミングに悩んだ。『ちょっと熱いけど・・・まだ行けるか・・・いや、やっぱり熱い!』ギリギリまで粘ったが熱いと感じ、「すみませーん」と声をかけた。痛みよりも熱さよりも声をかけることにドキドキした私。ただの小心者だ。お灸を外してもらった。一気に平穏が訪れた。

 もうしばらくしていると、鍼も外してもらった。ゆっくりと身体をおこし「どこか辛いところある?」と聞かれたので、「肩が痛いです。」と正直に伝えた。もう1度肩に鍼をうち、その後クルクルと回すような刺激を感じる。これは少し痛かったが、すぐに鍼を外してくれた。不思議なことに、さっきまで感じていた肩の重みがない。鍼の効果に驚いた。

 そして驚くことがもう1つ。鍼灸治療を受ける前まで感じていた身体の火照りがさっと引き、涼しさを感じた。アトピーの炎症を鍼灸で逃してくれたのがきっかけらしい。ますます鍼灸治療の魅了を感じた。

問診票との驚きのつながり

 最後に「甘いもの、塩辛いものが好きみたいだけどアトピーの炎症に繋がるから出来るだけ控えるように。あとは1日30分、自分が好きなことをする時間を作ること」と言われた。なるほど、最初の問診票はそういう意味があったのか。あまり意識してなかった食生活ややることを詰め込みすぎてストレスを感じる生活になっていたことを見直し、これからは教わったアドバイスを実践してみようと思った。

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