右半身麻痺の私が訪問マッサージで…

 私は10年ほど前に脳出血を発症し、右半身麻痺という障害を負い、車椅子での生活を余儀なくされました。病院にはリハビリ病院も含め9か月ほど入院し、リハビリを重ねましたが思うような回復は見られませんでした。また、麻痺の回復には発症後6か月の壁があると言われ、この期間に運動機能が回復なければ、その後の手足の機能の回復は難しいとのことでした。私は動かない右半身の回復を諦めざるを得ませんでした。 

訪問マッサージとの出会い

 退院後は自宅療養で、日中、家族は仕事や学校へ行っているので、一人でテレビを見て過ごすしかありませんでした。ケアマネージャーさんが、通所リハビリの利用を勧めてくれたので、通所リハビリ施設へ週に2回通うことにしました。施設では理学療法士さんや作業療法士さんが、手足を動かしてくれたり、マシンによるリハビリをしてくれたり、お風呂にも入れてもらいました。

 通所リハビリに通うようになってから、家に帰ってくると、リハビリによる疲れが現れ、麻痺側の手足の筋肉がぴくぴくと痙攣を起こすようになりました。困った私は担当のケアマネージャーに相談したところ、鍼灸・マッサージ師の国家資格を持ったマッサージを受けてみますかとの提案をしてくれました。私がすかさず「お願いします」と答えると、マッサージ師に連絡をとり、市役所の福祉課に手続きをしてくれ、すぐに訪問マッサージを受ける事になりました。
 訪問マッサージでは、右腕から肘下、手の指まで、さらに下半身は腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足首と念入りにマッサージしてもらい、麻痺の影響でパンパンに張っている筋肉がほぐれて行くような感覚を覚えました。筋肉をほぐしてもらう事で、夜もぐっすり眠れるようになっていきました。

マッサージで取り戻したもの…

 通所リハビリとマッサージを繰り返しながら、通所リハビリでは歩く練習も初めました。驚いたことに歩行距離は少しずつ伸びていきました。通所リハビリへは最初、車椅子で通い、施設の中も車いすでの移動しか許してもらえなかったのですが、次第に車椅子なしで、自分で歩いて通えるようになりました。歩けるようになると、車の運転もしたくなります。主治医に車の免許を更新して、運転したいとお願いし、診断書を書いてもらいました。その診断書を持って自動車免許センターへ行き、免許を更新してもらう事が出来ました。
 車を運転できるようになると、今度は仕事がしたくなります。左手、左足だけで運転できるように改造された中古車を購入し、就活を始めました。それと同時に、自宅から25キロ以上も離れている、実兄が経営するスーパーで伝票入力の仕事も手伝いに行くようになりました。

 我が家は現在、夫婦2人と長女が同居していて、3人家族です。妻は介護士をしていて毎日帰りが遅く、長女は不規則勤務の看護師をしています。私は家でも何かできることはないかと、妻に相談しました。まず洗濯をする事にしました。洗った洗濯物を室内干しし、乾いたらたたむ。次に妻の帰りがいつも遅いので、夕食に何か1品を作り、食後の洗い物を私がやることにしました。そうすることで徐々に家の中も平和になりました。
 私の入浴は、一人でバスタブに入るのは危険なので、シャワーを浴びる事にしました。シャワーであれば一人でできるようになりました。
 次第に介護度も低くなったため、通所リハビリはやめました。
 やがて就活も実を結んで、障害者施設でパソコンの入力作業の仕事に就くことができ、週に5日、自分で車を運転し通うようになりました。

 思い返せば、「6か月の壁」で回復が見込めないと言われていた私が、歩けるようになり、車に乗れるようになり、仕事にも行けるようになったのです。この奇跡のような出来事が今でも信じられません。
 私を今まで支えて来てくださった家族や周りの方々に感謝するとともに、マッサージの先生には特に感謝しています。手足の施術はもちろんですが、私の話す愚痴ともいえる話をじっくり聞いてくださり、私の心のリハビリもしていただいたことは感謝に堪えません。これからも週2回の施術を死ぬまで続けていただきます。

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